生焼け論

襲い来るマルスの群れ

【ネタバレ】 映画 『 ドクター・ストレンジ 』 批評

ドクターストレンジ

次回作に繋げるために詰め込んだんだろうと思う
そしてオイラはドクターストレンジの原作を読んでないニワカである
ざっくり言うと

・最近のマーベル映画『らしさ』を引き継いでいる
・ギャグシーンもそれなりにある
・マーベル映画好きならどの道見るしかないよね
・3DCGやVFXに興味がある人は見て損はない
・駆け足で説明不足

60/100 点

 

 

 

---------------------------------------------ネガティヴな批評を見たくない方はここまで読んで終わりでいいです-----------------------------------------------------

 

 

 

 

『キャラクターが偶然トラブルに陥るのは素晴らしいことである。しかし、キャラクターが偶然トラブルから抜け出すことは、ごまかしである。 』

 エマ・コーツ

 

 

 

 

シビルウォー』を見たときの『後味』は
「映像も戦闘も面白いんだけど、暗い、モヤモヤする」

だったのだが

ドクター・ストレンジ

『映像はスゴイけど戦闘は普通、ストーリーはボンヤリしてる
暗さとモヤモヤ感は引き継いだ』

うごご。


●爽快感が無い
原作リスペクトなのかもしれないが

・攻撃も防御も転移も何かと地味
敵を倒した時も地味(手術室でのフィニッシュはちょっと良かった)

・エフェクトや音を派手にぶっ放すだけでも良くなりそうな部分すら地味なので
「わざとこういう演出にしてるんだろうなぁ」と思っている

・ただ淡々と進んでいく
おお! とか
よかったね! とか
思えるシーンはあまりない

●説明不足のまま展開してボンヤリ終わる
・展開に起伏はあるんだけど
理屈や説明が足りないまま ちゃっかり成功 して次のシーンに行ってしまう

・よくわからないまま解決する
棚ぼたで助かったり偶然うまくいくことが多すぎる

・視聴者視点だと

なんかヤバい『らしい』敵を迎え撃つにはストレンジを迎え入れたほうがいい『っぽい

腕を直したいから修行する 修行シーンはアッサリ

くすぶってたけど師匠に追い詰められて
ヤバい状況に置かれたら『なんかよくわからないけど』成功した
おそらく『脳神経外科医』としての自我や常識が魔術の行使の妨げになっていたのだが
危機に置かれたことでそれを忘れ、乗り越えた のだが、もの凄い説明不足

主人公の才能も頑張りも成長もよく分からないまま戦闘が始まる
「腕を直したいけど別に戦いたくない」
「師匠はすげー大変なんだよ!」
「仕方ないから戦う」

強い『らしい』悪役カエシリウスと戦うけどだいたい防御できちゃうし強そうに見えない
主人公はチョロチョロ逃げる

悪役の取り巻きが襲ってくる!
主人公は大したこと出来ないけど
運良く敵が次元を操ってくれたから
運良くちょうどいい場所にゲートがあったから
うまい事利用して撃退しちゃった!

敵の恐ろしさを1番表現できそうなシーンでは主人公とマントのギャグシーンが入り
偶然あった便利グッズで悪役はあっけなく行動不能になる

でも追いつめられる!重傷を負う!
主人公は対して強くないけどマントに気に入られて助かった
瀕死で病院にゲートを開く!
助けて!
いろいろあって霊体(アストラル体)同士で戦う!
除細動器で体に電気を流したら霊体が強くなるっぽい事が偶然わかったからもっと電気流して!
電気流したらパワー発揮して倒せた!

至高の魔術師であるはずの師匠
心理的には追い詰められていたのかもしれないが
悪役がちょっと機転を利かせたらサクっと刺されちゃう
幽体離脱して雪見だいふくしてなかったら生き返れたんだろうか?
多分無理なんだろうけど
急に意志薄弱になって「マヂもうムリ。。。」みたいになられてもついていけないわ

●最後は他の作品で見た事あるような退屈な頓智で切り抜けちゃう
おそらく例の本(カリオストロの書)に時間操作やいろいろな注意書きや使い方が書いてあったのだろう
ドルマムゥの事も書いてあったりして?

映画で見せている範囲内では
カエシリウスは1ページしか持っていないのである

 

アホみたいな話だ。

 

先輩のワルな魔術師は視野が狭くてドルマムゥ呼ぶ以外の事には興味ねーからって
1ページだけ破いて持って帰るなんてご都合過ぎて

 

アホみたいな話だ。

 

まぁとりあえず『1ページの魔術師』ことイケおじカエシリウスさんが知りえないような情報も本をたくさん読んで覚えてたドクターストレンジさんはわるいやつらを頓智で撃退…

 

●CGは面白い
実写じゃ無限に金があっても100%無理な映像を作り上げているのはすばらしい

CGの良さを最大限に生かした映像づくりだと思う


…が、その映像たちはただの背景なのである。勿体ない  

 

映画『インセプション』の映像には意味があって理屈が通っているのだが

 

ドクターストレンジの場合は無くても困らない部分が多い

なんかすげー街が変形してるけどただ逃げ回るステージでしかなくて

結局はわかりにくいので平らなステージで戦い始める

 

ストーリー的には普通に路地とか逃げ回って広場で戦うのと大して変わらない

 

デカくて演出過剰な箱を開けたら古いハリウッド映画やスターウォーズやTESシリーズ(ゲーム)で何度も見たような退屈な脚本が詰まっていた感覚

 

気を使って深読みしたり大人の事情を考慮すればわかるけど

ハリウッド映画でそれをやられても期待外れになってしまう

 

ストーリーで意外性を感じられたのは彼女の反応くらいかな…

 

たられば話はしたくないが

もしもこの映画が原作ナシで

登場人物が「ドクター・ストレンジ」ではなくオリジナルキャラクターが出てくる映画だったら

何がしたいのかわからないポンコツ映画である

マーベルの続き物でこんな事を言ってもお話にならないのだけど…

 

とりあえず戦闘も展開の畳み方も偶然が多すぎて気になって気になって木になって

 

見たこともない 木ですから
見たこともない花が咲くでしょう

花が咲くでしょう

ルールールールー

 

偶然にもー悪役が次元を曲げてー偶然ゲートがあったからー撃退できたー

偶然にも拘束具があったから助かった
偶然にもマントが居たから助かった
偶然にも除細動器があったから倒せた

 

偶然が無かったら何回も死ぬだろコレいい加減にしろ!!!!!!

 

前評判ばっかりヤバそう強そうな敵は実際はマヌケなアホばっかりで事件解決!!!

一緒に戦ってくれた奴は子供みたいな陳腐すぎる理論でグレて悪役化!!!!!!!!

あああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!